インフルエンザワクチンの是非について~製造量の推移から考える

医者

インフルエンザワクチンの効果について、あなたはどう考えていますか?身の周りでも、インフルエンザワクチンの接種を受ける派、受けない派に分かれているのではないでしょうか。インフルエンザワクチンの効果については意見のわかれるところで、どちらの意見が正しいか、結論を出すのは難しいと言えるでしょう。

これまでの日本でのインフルエンザワクチンの製造量の推移からも、インフルエンザワクチンへの評価はその時代によっても変化していることがわかります。

本記事では、これまでのインフルエンザワクチンの歴史とともに、インフルエンザワクチンの是非について、ご一緒に考えてみましょう。

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インフルエンザワクチンの歴史

研究医

インフルエンザワクチンは国内では1951年に初めて市場に供給されて以来、製造量は国内の政策や世論に大きく影響を受けてきています。

ここではまず、国内のインフルエンザワクチンに関する出来事をご紹介します。
【インフルエンザワクチンに関する歴史】

  • 1951年  全粒子型ワクチンが市場に供給される
  • 1972年  副反応の低減を目指した改良の結果、スプリット型ワクチン「インフルエンザHAワクチン」が製造承認される。
  • 1973年  予防接種法改正。3~15歳の子供のワクチン接種が「臨時義務」とされ、学童集団接種が始まる
  • 1987年  インフルエンザワクチンの集団予防接種の効果を否定した「前橋レポート」が発表される
  • 1994年  予防接種法改正。インフルエンザワクチンは任意接種となり、学童集団接種が中止される。
  • 1997年  香港で高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)の発生
  • 1998・99年  インフルエンザが大流行し、65歳以上の高齢者のインフルエンザによる死亡が多くなる
  • 2001年  予防接種法改正。65歳以上の基礎疾患がある人を対象にインフルエンザワクチン接種の公費負担が始まる。抗インフルエンザ薬「タミフル」が発売
  • 2009年  新型インフルエンザ(H1N1)が発生

このように、インフルエンザワクチンをとりまく環境が変化するなかで、インフルエンザワクチンの製造量はどのように推移しているのでしょうか?

次に、インフルエンザワクチンの製造量の推移と、影響を及ぼした世論をみてみましょう。

インフルエンザワクチンの製造量と世論

インフルエンザワクチンの製造量は、時代により大きく変化しています。これと共に、インフルエンザワクチンに期待される効果も変わってきているようです。

それでは、それぞれの時代にインフルエンザワクチンに対して、どのような世論があったのか、どのような効果が期待されているのか、順を追ってみてみましょう。

1970年代:集団感染予防の効果

1970年代、インフルエンザワクチンは学童への集団接種という形で行われていました。これは、学童への集団接種を行い集団で免疫をつけることによって、高齢者への感染を防ごうとする「学童防波堤論」と言われるものです。この時代、インフルエンザワクチンには、集団感染予防の効果が期待されていたことがわかります。

1990年代:ワクチンの効果が否定される

1970年代、80年代前半、ほぼ横ばいで推移していたインフルエンザワクチンの製造量は、1980年代後半から1990年代前半にかけて、急速に減少します。この時代、どのようなことがおきていたのでしょう?

この頃、インフルエンザワクチンの効果については疑問視する意見も出ていました。こうした状況のなかで、1987年、独自にインフルエンザワクチンの集団接種を中止した前橋市医師会が、インフルエンザワクチンの接種地域と非接種地域のインフルエンザ流行状況をまとめた「前橋レポート」を公表しました。前橋レポートでは、インフルエンザワクチンに集団感染予防の効果がないことが示されました。

これをきっかけに、1994年の予防接種法の改正が行われ、学童の集団予防接種は中止となり、インフルエンザワクチンの製造量は、1970年代の約1700万本から1994年には約30万本まで減少しました。

2000年代:重症化防止の効果

1998・99年のインフルエンザの大流行で高齢者が多数死亡したことをきっかけに、国が研究班を組織し、高齢者におけるインフルエンザワクチンの有効性を調査しました。この調査で、1回のインフルエンザワクチンの接種で発症を34~55%阻止し、インフルエンザによる死亡を82%阻止するという結果が得られています。

この研究が2001年の予防接種法改正につながっていきます。この改正で65歳以上のインフルエンザワクチン接種が一部公費負担となり、インフルエンザワクチンの製造量は再び増加へと転じます。

高齢者への接種の理由として重症化防止が挙げられます。インフルエンザは重症化すると肺炎などにつながる場合があり、高齢者では死亡する場合もあります。インフルエンザワクチンは、接種後、罹患しても重症化を抑えられる、という効果があることが主張されています。

2000年代には、鳥インフルエンザや新型インフルエンザの発生など、インフルエンザに対する警戒が高まったこともあり、インフルエンザワクチンの製造量は増え続け、2010年の製造予定量は約2900万本となりました。

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まとめ:インフルエンザワクチンの接種は自己責任

ここまでにみてきたように、インフルエンザワクチンに対する世論は、時代によって変化があることがわかります。

現在でも、インフルエンザワクチンの評価は多様で、身の周りでも賛否両論が聞かれます。インフルエンザワクチンの接種を受けるか受けないか、これは様々な情報を集め、個人の責任で判断するしかありません。

本記事では、インフルエンザワクチンの評価がどのように移り変わってきたかを見ることで、インフルエンザワクチンの有効性、問題点を考えてきました。インフルエンザワクチンの有効性については、他にも様々なアプローチがあります。
【インフルエンザワクチンについて考える記事】

本記事や、ここにご紹介した記事などから、インフルエンザワクチンの効果や問題点を様々な角度から検討し、予防接種の是非を考えるときの参考となさってください。

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