インフルエンザの早期快復をめざし進化を続ける検査方法

医師

寒い時期になると流行の兆しをみせるインフルエンザ。感染力が非常に強く、重篤な合併症を引き起こすこともある病気ですが、近年ではインフルエンザによく効く薬も販売され、病院では簡単に検査を行うことができるようになりました。

インフルエンザへの対策は、まずはインフルエンザに罹らないようにする予防が大切ですが、感染力が強い病気であるだけに、周囲で流行りはじめると気をつけていても罹ってしまうこともありますね。

こんなときは、まず病院でインフルエンザに罹っているかどうかの検査を受けることになります。本記事では、インフルエンザの検査方法をご紹介します。

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インフルエンザの検査方法の種類

インフルエンザの女性

インフルエンザに罹っているかどうかの検査方法には様々な方法があります。大きく分けると、ウイルス検出検査血清抗体検査にわかれます。

ウイルス検出検査とは、患者ののどの拭い液やうがい液、鼻からの拭い液のなかにインフルエンザウイルスがいるかどうかを調べる検査方法です。この検査方法には、「ウイルス分離」、「RT-PCR」、「酵素免疫法」、「蛍光抗体法」、「迅速抗原検出キット」などの方法があります。

一方、血清抗体検査とは、血清のなかにインフルエンザウイルスに対する抗体ができているかどうかを調べる検査方法で、抗体があればインフルエンザウイルスに感染している、または過去に感染したと判断します。この検査方法には、「HI法(赤血球凝集抑制試験)」、「NT法(中和試験)」、「CF法(補体結合試験)」などの方法があります。

ここまでにご紹介した検査方法は、ほとんどの方法が判定するまでに1~3日ほどの時間がかかります。また、高度な検査技術が必要で一般の医療機関では行えない検査方法もあります。

しかし、「迅速抗原検出キット」による検査方法では、15分以内で結果を得ることができ、検査方法自体も簡単に行えるようになっています。現在、病院で最も一般的に行われている検査方法はこの「迅速抗原検出キット」による検査です。

それでは次に、迅速抗原検出キットについて、詳しくみてみましょう。

迅速抗原検出キットによるインフルエンザの検査方法

現在、最も一般的に行われているインフルエンザの検査方法は「迅速抗原検出キット」による検査方法です。この検査方法について、開発の経緯と検査方法をご紹介します。

迅速抗原検出キットの開発の経緯

迅速抗原検出キットは2000年前後に多くの製品が開発されました。これは、この頃に販売が始まったインフルエンザ治療薬(タミフルなど)の出現と大きな関連があります。

インフルエンザ治療薬は、体内のインフルエンザウイルスの増殖を抑える働きをもつもので、できるだけ早く服用するのが良く、発症後48時間以内に服用しないと効果が現れないと言われます。しかし、従来の検査方法では判定結果が出るまでに1~3日と時間がかかってしまうため、インフルエンザ治療薬を服用するのが遅れてしまいます。また、一般の医療機関で行えないような検査方法では、インフルエンザが疑われてもすぐに検査を受けることができません。そのため、簡単な検査方法で早く結果のでる迅速抗原検出キットの開発が進んだのです。

迅速抗原検出キットによる検査方法

迅速抗原検出キットは、プレート状のキットに患者から採取した検体を滴下して、キット上の判定ラインが反応しているかどうかを目視によって判断するものです。検査手順を以下にご紹介します。

  • 1)鼻の奥やのどの奥を細い綿棒で拭う
  • 2)採取した綿棒を検体処理液に入れ、採取検体を抽出する
  • 3)検体処理液を検査キットに滴下
  • 4)10~15分でキットに陽性ラインが出現しているかを目視判定

このように、キットを使えばどの医療機関でも簡単に早く検査を行うことができます。

この検査方法には、抗原抗体反応の原理が利用されています。抗原抗体反応とは、抗原がそれに対応する抗体に結合する反応のことをいいます。

インフルエンザ検査の場合、インフルエンザウイルスが抗原、インフルエンザ検査キットの判定部に用いられているものが抗体となります。患者ののどや鼻などからの拭い液から抽出した検体のなかに、インフルエンザウイルスが含まれていた場合、これが検査キットの抗体と反応して、陽性ラインが出現するという仕組みです。

この方法で、インフルエンザに感染しているかどうか、感染していた場合A型かB型か、ということを15分という短時間で判定することができます。

さて、このように迅速抗体検出キットを利用した検査方法では、検査を受けてからは短い時間で結果を得ることができます。しかし、このキットによる検査方法では、体内のインフルエンザウイルスがまだ少ない、発症して間もないときに検査を受けると、実際にはインフルエンザに罹っていても、陽性反応がでない場合があります。このため、この検査は発症後12時間以上経ってから受けるのがよい、と言われ、発症後から検査結果を得るまでは、半日程度の時間が必要です。

しかし、例えば発症が金曜日の夜中であった場合などは、12時間待っていては土曜日の午後、すでに病院は閉まってしまう、ということもありますね。小さいお子さんが高熱などで苦しんでいれば、早く受診して薬を飲ませてあげたい、と思うお父さんお母さんも多いでしょう。

最近では、このような希望に応えてくれる検査方法も開発されています。次に、この新しい検査方法について、ご紹介します。

スピード検査技術によるインフルエンザの検査方法

迅速抗原検出キットより更に、発症から結果判定までの時間を短くできるのがスピード検査技術による検査方法です。

スピード検査技術では、迅速抗原検出キットの抗原抗体反応を利用する技術を応用して、体内にインフルエンザウイルスが少ない状態でも、これを検知できる検査方法になっています。

スピード検査技術による検査方法の手順を以下にご紹介します。

  • 1)鼻の奥やのどの奥を細い綿棒で拭う
  • 2)採取した綿棒を抽出液に入れ、検体を抽出する
  • 3)試薬カートリッジに検体を滴下
  • 4)カートリッジを判定装置にセット
  • 5)装置によりインフルエンザウイルスの有無を判定

この検査方法では、写真の現像の技術を利用してより少ないインフルエンザウイルスでも検知できるようにしています。次にこの技術についてもう少し詳しくみてみましょう。

抗原抗体反応を利用した検査方法では、抗体に着色粒子として金コロイドを結合させ、抗原と反応した場合に発色する仕組みになっています。いわば、金コロイドが目印となっているわけです。この金コロイドに、銀の微粒子を大量に付着させ、目印が目立つようにしたのがこのスピード検査技術の特徴です。銀の微粒子を付着する技術に、写真を現像するときに銀を増幅する技術が応用されているというわけです。

また、迅速抗原検出キットでは結果判定は目視で行われていたのに対し、スピード検査技術では結果判定は装置によって行われるため、より正確な判定が行える検査方法となりました。

この検査方法では専用の装置が必要となるため、この検査を受けたい場合は、スピード検査のための装置のある医療施設を受診してください。

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まとめ:インフルエンザの検査方法の進化により結果判定がより早く

インフルエンザの検査方法は、インフルエンザ治療薬の出現により、より早く簡単に検査結果を出せるということが求められ、進化をしてきました。

現在、最も一般的に用いられている検査方法は、迅速抗原検出キットを利用する方法です。この検査方法では、発症後12時間以降に検査を受ければ、10~15分という短い時間で検査結果がわかるようになっています。

また、最近では発症後、より早いタイミングで検査を受けても判定を行うことができる検査方法も開発されました。

インフルエンザ治療薬は、発症後、服用するタイミングが早いほど効果が高くなることが期待できます。症状や周囲のインフルエンザ感染の状況などから、インフルエンザが疑われる場合は、適切に検査を受け、早期快復を目指してください。

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