症状緩和への時間を短縮できるインフルエンザの新しい検査方法

検査医

急な高熱や全身の倦怠感など、インフルエンザに罹ると大変つらいですね。インフルエンザに罹ってしまったら、一刻も早く病院に行って症状が早く軽くなるようにしたいと、誰しもが思うのではないでしょうか?

ところが、インフルエンザが疑われる症状が現れても、病院に行って検査してもらうのは12時間程待ってからの方がよい、と言われています。なぜなら、現在一般的に行われているインフルエンザの検査は、発症後12時間程の時間が経ってからでなければ実際はインフルエンザウイルスに感染していても陽性にならない場合があるためです。

しかし最近、インフルエンザの発症から、より早い時間でインフルエンザであることを発見できる技術が開発され、この方法で検査を行えば、発症後、より早い時間で治療ができるようになりました。

本記事では、この新しいインフルエンザの検査についてと、インフルエンザの検査を早く受けることのメリットについてご紹介します。

スポンサーリンク

従来のインフルエンザの検査の仕組み

インフルエンザの女性

現在、一般的に行われているインフルエンザの検査は「迅速診断法」という検査キットを使った方法です。この検査の方法を以下にご紹介しましょう。

【迅速診断法の検査方法】

  • 1)患者ののどや鼻などから拭い液をとる
  • 2)検体を検査キットに滴下
  • 3)15分ほど経ってから、検査キットの判定部により陽性・陰性を判定する

このインフルエンザの検査キットで判定は、判定部の発色の有無を目視で判定します。インフルエンザの検査は発症から12時間程過ぎてから、と言われるのはここに大きな原因があります。インフルエンザウイルスは感染すると体内で爆発的な速さで増殖しますが、発症後12時間以内ではインフルエンザウイルスの量が検査キットで判定できるほどには増えていないため、実際には感染していても陽性にならない場合があるのです。

それでは次に、検査キットの判定部ではどのような仕組みで陽性・陰性が現れるのかみてみましょう。

インフルエンザの検査キットの測定の原理は、抗原抗体反応を利用した免疫法によるものです。

抗原抗体反応とは、抗原がそれに対応する抗体に結合する反応のことをいいます。インフルエンザ検査の場合、患者の拭い液からとったインフルエンザウイルスが抗原、インフルエンザ検査キットの判定部に用いられているものが抗体となります。

インフルエンザ検査キットの判定部に用いられている抗体は、インフルエンザウイルス以外の抗原とは反応しないことが確認されているものです。このため、患者の検体を滴下し、これが判定部で反応すれば、検体にはインフルエンザウイルスが含まれている、すなわちこの患者はインフルエンザに罹っている、ということがわかる仕組みになっています。

判定部で抗原抗体反応が起こっている場合に発色させる方法には、酵素免疫測定法金コロイド法などが用いられています。酵素免疫測定法とは、抗体を酵素で標識し、基質と反応させて発色させる方法です。金コロイド法とは、抗体に着色粒子として金コロイドを結合させ、抗原と結びついたときに検出ラインで発色する仕組みになっています。

新しいインフルエンザの検査の仕組み

新しい検査方法は、前にご説明した金コロイド法をより少量のインフルエンザウイルスでも検出できるようにしたものです。

具体的にどのようなものか、次にご紹介しましょう。

従来の金コロイド法では、検体に含まれているインフルエンザウイルスが少ない場合は、検出できないことがありました。そこで新しい検査方法では、インフルエンザウイルスに結合した金コロイドに、銀の微粒子を大量に付着させ、見つけやすくしたのです。

このため、発症して間もない、まだ体内のインフルエンザウイルスが少ない状態でも、検査によってインフルエンザであることが発見できる可能性が高まりました。

この検査は専用の分析装置を採用している医療施設で受けることができます。

インフルエンザの検査の時間が早くなることのメリット

インフルエンザの検査ができる時間が早くなれば、薬を早く飲むことができるようになり、軽快への時間もより短くなります。なぜなら、抗インフルエンザ薬は早く飲むほど効果が高いからです。この理由を次にご説明しましょう。

抗インフルエンザ薬の働きは、インフルエンザウイルスの増殖を抑えるものです。抗インフルエンザ薬自体には、すでに体内に存在するインフルエンザウイルスをなくす力はありません。

一方、人間の身体には、インフルエンザウイルスに対する抗体を自身で作る力が備わっています。体内のインフルエンザウイルスが少なければ、これに対応するだけの抗体を作るのにもそれほど時間がかからないため、インフルエンザの症状は早く治まります。

また、インフルエンザウイルスは一度体内に入ると、爆発的な速さで増殖します。その速さは、1つのウイルスが8時間後には100個、16時間後に1万個、24時間後には100万個と、驚異的な速さです。

ではここで、ここまでにご説明した3つのポイントをまとめてみましょう。

  • 抗インフルエンザ薬にはインフルエンザウイルスの増殖を抑える働きがある
  • 人間は自身の体内でインフルエンザウイルスに対抗する抗体を作ることができる
  • インフルエンザウイルスは爆発的な速さで増殖する

この3つのポイントを合わせて考えてみると、抗インフルエンザ薬を体内でインフルエンザウイルスが爆発的に増殖する前、すなわち発症後できるだけ早く用いることで、体内にあるインフルエンザウイルスに対応できるだけの抗体を早く作ることができ、症状が早くよくなる、ということがわかります。

一生インフルエンザにかからない体質の作り方
村上 一裕
フォレスト出版
売り上げランキング: 123,423

まとめ:インフルエンザは早めの検査で早い時間で快復

インフルエンザは発症後、早い時間に検査で発見し抗インフルエンザ薬を用いることで、快復を早めることができます。

従来の検査方法では、インフルエンザの症状が出てから12時間程経過してからでなければ、インフルエンザであることを発見することができませんでした。しかし、新しく開発された方法で検査をすれば、インフルエンザの発症後、より早い時間に検査を受けてもインフルエンザであることを発見できる可能性が高くなりました。

このことで、インフルエンザ発症後、より早い時間で抗インフルエンザ薬を用いることができるようになり、インフルエンザの症状の快復が早くなることが期待できます。

インフルエンザは乳幼児や高齢の方などが罹った場合、重篤な合併症を発症する場合もある病気です。本記事をご参考に、インフルエンザが疑われるような症状が現れた場合は、早めの対処を心がけていただければ、と思います。

スポンサーリンク

iGotitに「いいね!」をください

iGotitはあらゆる「ハウツー」を発信する新しいメディアです。今までのどのメディアよりも、あなたが「なるほど」と思える質の高い情報を発信していきます。
いいね!を押して、iGotitを応援してください!

Twitterでフォローしてください

iGotitの注目記事の更新情報はTwitterにてお届けいたします。是非iGotitのTwitterアカウントをフォローして頂き、あなたの生活を豊かにする情報を手に入れて下さい。

Comment